201号室の、オオカミくん☆
「あー! ズルい! そんな卑怯な手でたこ焼パン食べて美味しいか!」
「まだ食べてないけど美味しい」
ふふんと余裕な笑みを浮かべる皇汰がムカつく。
私もまだ誰も居ない貸しきり状態のパン屋で、たこ焼パンと板チョコを挟んだクロワッサン、粒餡パンを買った。
「うわ。旨い」
「……もう食べてるし」
五個ぐらい買ったのか白いビニール袋の中には人気があるやつばかり入っている。
てか髪、太陽に当たるとちょっと茶色になってる。
……ズルい奴だ。
「岸六田先生、可愛かったよ。腹が立つほど実ったお胸ですけど」
チクチク攻撃したが皇汰には効かなかった。
「Fあるらしいよ」
Bの私ら二人が合体しても勝てないじゃんか。
「ちょっと皇汰を探してたよ」
渡り廊下に差し掛かり、屋上を見上げた。
今日はキラキラ反射していない。
居ないのかな。
「探すぐらい別に。俺は何年も片想いしてたんだから」