201号室の、オオカミくん☆
「あはは。拗ねてる」
ずるいな。そんな可愛い顔、私にはしてくれないくせに。
「拗ねてねーよ」
かじりついたたこ焼パンから、生クリームのようにマヨネーズが出てきて皇汰の唇につく。
「はいはい。ほらマヨネーズもついてるよ」
手を伸ばし、人差し指でマヨネーズをなぞり取り、皇汰に見せつけた。
「ありがとう」
「ぎゃ!?」
私の人差し指を皇汰は躊躇せずに唇に含んだ。
「うん。マヨネーズも美味しい」
「せ、セクハラー!!!」
人差し指をどうする事もでぎず、私はまた渡り廊下を全力疾走した。
トイレに駆け込み、口に含まれた人差し指を眺めながら洗うのを躊躇してしまう。
そうだ。これが恋、なんだ。