201号室の、オオカミくん☆
「危なかった」
深い安堵した溜め息が私の頭上で吐かれる。
「――結愛が小さくて軽くて良かった」
「なっ」
慌てて顔を上げたら、皇汰の顎に直撃してしまった。
「ゆーいー」
「ひー。何で皇汰が此処に」
「なんじゃ。やはりその女史が皇汰が探してた女史だったか」
へ……?
カランコロンと下駄の音を響かせてやって来たのは……さっきの強盗?
皇汰の知り合いなの?
「やっぱその下駄の音、夜は怖いって」
苦笑する皇汰は、更に私を抱き締めて安心させてくれた。
けど私たちの前に現れた下駄の音の犯人は、
絵本から出てきたような王子様だった。
藍染の浴衣を着流し、金髪の髪をひとくくりに纏めて後ろに結び、碧眼の目を輝かせて。
……外人さんが浴衣と下駄を履いてる。
「下駄が響く夜も風流なり」
「……ドラガンさん」