201号室の、オオカミくん☆



皇汰が溜まっているアパートは突き止めた。


驚くほどイケメンばかりが揃う鉄筋コンクリートのアパートの二階、一番奥。



どうやらそこに入り浸り、家には帰らないらしい。




『ちょっと複雑な家庭だから、俺』


さらりと教えて貰った事がある。



お父さんは薬品会社の研究室長だとか言ってたけど、一緒には住んでないとか。



だからあんなボロアパートに溜まっているんだ。




「駅の向こうにあるアパートなんだよね?」


色々考えていたら、光が思い出したように言う。



「そうだよ。ホームセンターに近いよ」



「あそこ、痴漢出るみたいだから気をつけな」



「げ」


何でそんな嫌な情報を。


向こうまで帰る友達なんか居ないんだから止めてほしい。



「『怖いから皇汰くん一緒に帰ろう』作戦だな」


「お。私の美貌が役に立つ!?」


「いや、この前着替えを覗いたオッサンを蹴り飛ばしたアンタが皇汰くんのボディーガードか」
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