倦怠期です!
4
「・・・そ。20人以上で、タバコ吸えるとこ。あとすず!」
「はい?」
「おまえ18だから・・・」
「19になりました」
私は、先月の利益を電卓で打ちながら答えた。
「お?誕生日いつ?」と因幡さんの後ろの席にいる小沢さんが聞いてきたので、まだ電卓で計算中の私は、ノートを見ながら「11月です」と答えた。
斜め前では戸田さんが受話器に向かって「すいませーん」といつものセリフを言っている。
またカンナギ冷熱の高原さんに小言を食らったらしい。
たぶん、戸田さんがミスしたんだろうけど。
なんて思いながら、ノートの合計額と合っているのを確認した私に、「おいすずっ。“誕生日”って聞かれたら日にちまでちゃんと答えろ!納期だってちゃんと日にちまで言うだろ?」と因幡さんが言ってきた。
「あぁすみません。26日です」
「よしっ。課長、今度1課ですずの誕生会しましょう!あとこれ、よろしく」と因幡さんは言いながら、私の机に契約伝票を置いた。
「ええぇ?そんな、祝ってもらう年でもない・・・」
「まぁたそんな、すずちゃんはー。オヤジギャルみたいなこと言って」
「オヤジ男の小沢さんから、“オヤジ”って言われたくないです」と私が言うと、小沢さんはいつもどおり、バカ受けした。
「すずちゃんってクールな分、辛口が目立つよねぇ」
「そうですかね。とにかく、もうすぐ産業部で忘年会するから、別に誕生会なんてしなくていいです。それから因幡さん。この利益額、7千円違いますけど。契約額と仕入額のどちらかが違うのか、それとも単に計算ミスなのか、どっちですか?」と私は言いながら、さっき因幡さんから渡された契約伝票を、因幡さんに見せた。
「あ?あー、わりい。契約と仕入額はそれで合ってるから、計算違ってたか」
「違いますね」
「おまえは頭の中に電卓があるのか」
「ないですよ。でも小学生の頃そろばん習ってたから、ある程度の暗算はできますよ」
「じゃあ頭の中にそろばんがあるんだな」
「そういう感じですね、はい」と私が言ったとき、電話を終えた戸田さんが、「すずちゃーん、これ、書いてくれない?」と言いながら、型式だけ書かれた発注伝票を、一枚置いた。
「戸田!すずを頼ってばかりいないで、自分で書きなさい!」と中元課長から注意された戸田さんは、シュンとしながら「はぃ」と言った。
なんかもう、戸田さんって・・・子犬みたい。
「はい?」
「おまえ18だから・・・」
「19になりました」
私は、先月の利益を電卓で打ちながら答えた。
「お?誕生日いつ?」と因幡さんの後ろの席にいる小沢さんが聞いてきたので、まだ電卓で計算中の私は、ノートを見ながら「11月です」と答えた。
斜め前では戸田さんが受話器に向かって「すいませーん」といつものセリフを言っている。
またカンナギ冷熱の高原さんに小言を食らったらしい。
たぶん、戸田さんがミスしたんだろうけど。
なんて思いながら、ノートの合計額と合っているのを確認した私に、「おいすずっ。“誕生日”って聞かれたら日にちまでちゃんと答えろ!納期だってちゃんと日にちまで言うだろ?」と因幡さんが言ってきた。
「あぁすみません。26日です」
「よしっ。課長、今度1課ですずの誕生会しましょう!あとこれ、よろしく」と因幡さんは言いながら、私の机に契約伝票を置いた。
「ええぇ?そんな、祝ってもらう年でもない・・・」
「まぁたそんな、すずちゃんはー。オヤジギャルみたいなこと言って」
「オヤジ男の小沢さんから、“オヤジ”って言われたくないです」と私が言うと、小沢さんはいつもどおり、バカ受けした。
「すずちゃんってクールな分、辛口が目立つよねぇ」
「そうですかね。とにかく、もうすぐ産業部で忘年会するから、別に誕生会なんてしなくていいです。それから因幡さん。この利益額、7千円違いますけど。契約額と仕入額のどちらかが違うのか、それとも単に計算ミスなのか、どっちですか?」と私は言いながら、さっき因幡さんから渡された契約伝票を、因幡さんに見せた。
「あ?あー、わりい。契約と仕入額はそれで合ってるから、計算違ってたか」
「違いますね」
「おまえは頭の中に電卓があるのか」
「ないですよ。でも小学生の頃そろばん習ってたから、ある程度の暗算はできますよ」
「じゃあ頭の中にそろばんがあるんだな」
「そういう感じですね、はい」と私が言ったとき、電話を終えた戸田さんが、「すずちゃーん、これ、書いてくれない?」と言いながら、型式だけ書かれた発注伝票を、一枚置いた。
「戸田!すずを頼ってばかりいないで、自分で書きなさい!」と中元課長から注意された戸田さんは、シュンとしながら「はぃ」と言った。
なんかもう、戸田さんって・・・子犬みたい。