倦怠期です!
「な・・」
「これ。どうした」
「どうって・・・べつに」
「おまえが手を握りしめてボーっとしてるときは、思いつめてるくらい考え事してる証拠だ」
「・・・熱出してボーっとしてるのはあなたの方でしょ」
図星だった夫の指摘をごまかすように反撃したら、夫は「う」と唸って、寝ているのにうなだれた。
まさに今の夫は「反省ザル」になっている。
でも、トゲトゲしい声で病人にそんな嫌味を言う私のほうこそ、反省しなきゃいけないのに。
本当に私って可愛げがない。
これじゃあ仁さんに嫌われても、仕方ないよね。
でも仁さんは、私の嫌味には慣れているのか、「そこの引き出しの一番上に入ってる青い箱取って」と言った声はいつもどおりで、しょげた反省ザルからすでに立ち直っていた。
ホント、この人って・・・引きずらないよねー、と私は思いながら、夫が言った引き出しを開けてみた。
「ん?どこ・・あぁあった」
すぐには見つからなくて、夫のパンツを少々かき回したら、中から青い箱が出てきた。
これはどう見ても、ジュエリー系が入っている箱にしか見えないんだけど。
洗濯物を片づけるために、この引き出しは毎日開けていたけど、こんな箱が隠されていたのは初めて知った。
「ねえ、これ何?カフスボタンでも入ってるの?でもあなた、カフスボタンしない人だよね」
「ちゃうちゃう。それおまえんだから」
「・・・は?」
私は釈然としない顔で夫を見ると、いつの間にか上体を起こしていた夫はニッコリ笑って「開けて」と言った。
くぅ、その顔は相変わらず爽やかなサル顔だ!と認めつつ、夫に言われるままリボンをほどいて箱を開けて・・・。
「・・・こ、これ・・・?」
箱の中に入っているプラチナリングと、ニコニコ笑顔の夫を交互に見ている私は、驚きを隠せない。
「本当は旅館の部屋で渡すつもりだったんだ」
「あぁそぅ」
「・・・おまえ、嬉しくないんか」
「いや。そのー・・・」
「これ、店員さんの一押しだったし、石がついた派手な指輪あげても、お母さんはつけないと思うって日香里に言われたこともあって、これにしたんだが・・・やっぱダメか」と言ってガックリ肩を落とした夫に、私は慌てて「違うの!」と言った。
仁さんからは、結婚してから、過去何度かプレゼントをもらったことがある。
でも、洗濯したら色落するだろうだから、それだけ分けて洗濯しなきゃいけないような、余計な手間がかかるシャツとか、妙に高そうな装丁なのに、中身はごく普通の高価な大学ノートといった、私だったらこういうところにお金かけない、というモノばかり選ぶ仁さんって、実は私のお父さん並みにセンスがない?
いやいや、そうじゃなくって!
私の誕生日プレゼントに「札幌雪まつり」の絵葉書セットを選んだお父さんより、仁さんの方がプレゼントを選ぶセンスは何倍もある!
・・・別に「札幌雪まつり」の絵葉書セットがセンスないって言ってるわけじゃないんだけど。
「これ。どうした」
「どうって・・・べつに」
「おまえが手を握りしめてボーっとしてるときは、思いつめてるくらい考え事してる証拠だ」
「・・・熱出してボーっとしてるのはあなたの方でしょ」
図星だった夫の指摘をごまかすように反撃したら、夫は「う」と唸って、寝ているのにうなだれた。
まさに今の夫は「反省ザル」になっている。
でも、トゲトゲしい声で病人にそんな嫌味を言う私のほうこそ、反省しなきゃいけないのに。
本当に私って可愛げがない。
これじゃあ仁さんに嫌われても、仕方ないよね。
でも仁さんは、私の嫌味には慣れているのか、「そこの引き出しの一番上に入ってる青い箱取って」と言った声はいつもどおりで、しょげた反省ザルからすでに立ち直っていた。
ホント、この人って・・・引きずらないよねー、と私は思いながら、夫が言った引き出しを開けてみた。
「ん?どこ・・あぁあった」
すぐには見つからなくて、夫のパンツを少々かき回したら、中から青い箱が出てきた。
これはどう見ても、ジュエリー系が入っている箱にしか見えないんだけど。
洗濯物を片づけるために、この引き出しは毎日開けていたけど、こんな箱が隠されていたのは初めて知った。
「ねえ、これ何?カフスボタンでも入ってるの?でもあなた、カフスボタンしない人だよね」
「ちゃうちゃう。それおまえんだから」
「・・・は?」
私は釈然としない顔で夫を見ると、いつの間にか上体を起こしていた夫はニッコリ笑って「開けて」と言った。
くぅ、その顔は相変わらず爽やかなサル顔だ!と認めつつ、夫に言われるままリボンをほどいて箱を開けて・・・。
「・・・こ、これ・・・?」
箱の中に入っているプラチナリングと、ニコニコ笑顔の夫を交互に見ている私は、驚きを隠せない。
「本当は旅館の部屋で渡すつもりだったんだ」
「あぁそぅ」
「・・・おまえ、嬉しくないんか」
「いや。そのー・・・」
「これ、店員さんの一押しだったし、石がついた派手な指輪あげても、お母さんはつけないと思うって日香里に言われたこともあって、これにしたんだが・・・やっぱダメか」と言ってガックリ肩を落とした夫に、私は慌てて「違うの!」と言った。
仁さんからは、結婚してから、過去何度かプレゼントをもらったことがある。
でも、洗濯したら色落するだろうだから、それだけ分けて洗濯しなきゃいけないような、余計な手間がかかるシャツとか、妙に高そうな装丁なのに、中身はごく普通の高価な大学ノートといった、私だったらこういうところにお金かけない、というモノばかり選ぶ仁さんって、実は私のお父さん並みにセンスがない?
いやいや、そうじゃなくって!
私の誕生日プレゼントに「札幌雪まつり」の絵葉書セットを選んだお父さんより、仁さんの方がプレゼントを選ぶセンスは何倍もある!
・・・別に「札幌雪まつり」の絵葉書セットがセンスないって言ってるわけじゃないんだけど。