倦怠期です!
「よっ」
「・・・あ」
なんでまたここに来たのよ!
と言ってはないけど、そういう顔をしていたのだろう。
「これ、買いにきた」と言いながら、ガムを私に見せた夫の顔は、少々ムッとしている。
まあ、その気持ちは分からないこともないけど・・・。
「買いにきたのにおまえに顔見せんのはヘンだろ」
「そりゃそうだけど・・・」
「あら。有澤さんのだんなさん、ですよね?」
「どうも。妻がお世話になってます」
パート仲間の真田さんに声をかけられた途端、夫はニッコリ営業スマイルを顔に貼りつけて、如才なく挨拶をする。
ああぁ、真田さんには見つかってほしくなかったのに。
と思った私は、「今日は何時まで?」と割り込むように夫に聞いた。
「いつもどおり」
「残業は?」
「たぶんない。あっても20分くらいしかせん」
「分かった。じゃ、お仕事がんばってね。いってらっしゃい」
畳みかけるように追い出しの言葉を言った私を、夫が睨み見る。
私も負けじと睨み返す。
今にも空中でバチバチと音を立てて火花が散りそうな勢いだけど、夫も私もそんなこと構っちゃいない。
最初に目をそらしたのは、夫だった。
よし、勝った!
と思ったのは、ほんの束の間。
夫は、真田さんに、持っていたガムを押しつけるように無言で渡すと、私の手を取ってズンズンと歩き出した。
ぎゃあ!負けたのは私の方だった・・・?
「・・・あ」
なんでまたここに来たのよ!
と言ってはないけど、そういう顔をしていたのだろう。
「これ、買いにきた」と言いながら、ガムを私に見せた夫の顔は、少々ムッとしている。
まあ、その気持ちは分からないこともないけど・・・。
「買いにきたのにおまえに顔見せんのはヘンだろ」
「そりゃそうだけど・・・」
「あら。有澤さんのだんなさん、ですよね?」
「どうも。妻がお世話になってます」
パート仲間の真田さんに声をかけられた途端、夫はニッコリ営業スマイルを顔に貼りつけて、如才なく挨拶をする。
ああぁ、真田さんには見つかってほしくなかったのに。
と思った私は、「今日は何時まで?」と割り込むように夫に聞いた。
「いつもどおり」
「残業は?」
「たぶんない。あっても20分くらいしかせん」
「分かった。じゃ、お仕事がんばってね。いってらっしゃい」
畳みかけるように追い出しの言葉を言った私を、夫が睨み見る。
私も負けじと睨み返す。
今にも空中でバチバチと音を立てて火花が散りそうな勢いだけど、夫も私もそんなこと構っちゃいない。
最初に目をそらしたのは、夫だった。
よし、勝った!
と思ったのは、ほんの束の間。
夫は、真田さんに、持っていたガムを押しつけるように無言で渡すと、私の手を取ってズンズンと歩き出した。
ぎゃあ!負けたのは私の方だった・・・?