倦怠期です!
「有澤さん、痩せた?」
「え?そうかなー」
あ。でも・・・。
言われてみれば、いつもはいてるジーンズが少し緩くなったような気が、しないこともない。
「痩せた?」と聞くように言ってきた真田さんに同調するように、八幡さんも「うん。有澤さん、痩せたよね」と言った。
「八幡さんもそう思う?」
「うん。顔が少しシャープになったような。後はウエストあたり?」
「そうそう!くびれが出てきたよね」
「えっ?そう?なんか・・嬉しいな」
仕事時はいつも同じ服(もちろん洗濯済)を着てるから、二人にはいつも同じ恰好しか見せてない。
だからこそ、良いように体型の変化を言われたことは、40代女性としてはとても嬉しい。
なんて思っていたのに・・・。
「だんなさんと“運動”しすぎなんでしょ」
「・・・は?」
「最近よく腰さすってるし」
「えっ!?」
そう言われた今、まさに、私は腰をさすっていたところだった!
無意識のなせる業っておそろしい。
と思いつつ、私は慌てて腰から手を離した。
やっぱり夫には控えてもらった方が・・・少なくとも今夜と明日は控えてもらおう。
「ホント、アレってしすぎると腰にくるからねぇ。有澤さんも気をつけてね」
「あ、ははっ」
「ところで有澤さんはここ、続けるの?」
実は勤め先のマルショウスーパーが、Aマートというスーパーに吸収合併されることになった。
それで、ここにあるマルショウは、Aマートに変わる。
正社員さんたちは、全員Aマートの社員さんになるけど、パートやアルバイトの人たちは、希望すれば残るという形になる。
Aマートに変わるからと言って、待遇が良くなるわけでもなく、かといって悪くなるわけでもない。
つまり、社員は制服が、私たちパートやバイトはエプロンが、そして店内がAマート風に変わるだけで、今している仕事内容や時間、時給は変わらないと店長から言われたのが、先月の話だ。
「まだ決めてないけど、特に辞める理由もないから、たぶん続けるかな」
「そう」
八幡さんは、今月の7月いっぱいでここを辞める。
というのも、だんなさんの転勤で、県外に引っ越すことになったから。
一方、真田さんは、「家のローンの支払いがあるから辞めない」と断言している。
マイホームを持っている真田さんに、「いいなぁ」と言っている八幡さん二人を残して、私は仕事の続きを始めた。
「あなたもよく引っ越しと転校してたんだよね」
「まあなー。大体3年おきくらいに父さんが転勤になってたっけー。でも俺が高校に入る頃、福岡に転勤したのが最後。それから定年までずっと福岡支店だったな」
「今も福岡に住んでいるわよね」
「二人とも出身は山口だが、福岡のほうが住みやすいって。おまえ、家買いたいのか」
「えっ?ううん。私は賃貸マンションでも構わないよ」
夫には、八幡さんがだんなさんの転勤でパートを辞めると話している。
「あなたは?家買いたいと思わないの?」
「今はいい。たぶんおまえと二人になったとき、考えるかもしれん。ま、少なくとも、子どもたちが家を出たら、ここより小さな家に住もう」
「私たちの寝室とキッチンとバスルームがあれば十分だもんね」
子どもたちが独立して家を出るのはまだ先の話だけど、こういう話を夫としていると、いかにも夫婦だなぁと思えて、心がほんわかと温かくなる。
って私たち、夫婦ですが。
「え?そうかなー」
あ。でも・・・。
言われてみれば、いつもはいてるジーンズが少し緩くなったような気が、しないこともない。
「痩せた?」と聞くように言ってきた真田さんに同調するように、八幡さんも「うん。有澤さん、痩せたよね」と言った。
「八幡さんもそう思う?」
「うん。顔が少しシャープになったような。後はウエストあたり?」
「そうそう!くびれが出てきたよね」
「えっ?そう?なんか・・嬉しいな」
仕事時はいつも同じ服(もちろん洗濯済)を着てるから、二人にはいつも同じ恰好しか見せてない。
だからこそ、良いように体型の変化を言われたことは、40代女性としてはとても嬉しい。
なんて思っていたのに・・・。
「だんなさんと“運動”しすぎなんでしょ」
「・・・は?」
「最近よく腰さすってるし」
「えっ!?」
そう言われた今、まさに、私は腰をさすっていたところだった!
無意識のなせる業っておそろしい。
と思いつつ、私は慌てて腰から手を離した。
やっぱり夫には控えてもらった方が・・・少なくとも今夜と明日は控えてもらおう。
「ホント、アレってしすぎると腰にくるからねぇ。有澤さんも気をつけてね」
「あ、ははっ」
「ところで有澤さんはここ、続けるの?」
実は勤め先のマルショウスーパーが、Aマートというスーパーに吸収合併されることになった。
それで、ここにあるマルショウは、Aマートに変わる。
正社員さんたちは、全員Aマートの社員さんになるけど、パートやアルバイトの人たちは、希望すれば残るという形になる。
Aマートに変わるからと言って、待遇が良くなるわけでもなく、かといって悪くなるわけでもない。
つまり、社員は制服が、私たちパートやバイトはエプロンが、そして店内がAマート風に変わるだけで、今している仕事内容や時間、時給は変わらないと店長から言われたのが、先月の話だ。
「まだ決めてないけど、特に辞める理由もないから、たぶん続けるかな」
「そう」
八幡さんは、今月の7月いっぱいでここを辞める。
というのも、だんなさんの転勤で、県外に引っ越すことになったから。
一方、真田さんは、「家のローンの支払いがあるから辞めない」と断言している。
マイホームを持っている真田さんに、「いいなぁ」と言っている八幡さん二人を残して、私は仕事の続きを始めた。
「あなたもよく引っ越しと転校してたんだよね」
「まあなー。大体3年おきくらいに父さんが転勤になってたっけー。でも俺が高校に入る頃、福岡に転勤したのが最後。それから定年までずっと福岡支店だったな」
「今も福岡に住んでいるわよね」
「二人とも出身は山口だが、福岡のほうが住みやすいって。おまえ、家買いたいのか」
「えっ?ううん。私は賃貸マンションでも構わないよ」
夫には、八幡さんがだんなさんの転勤でパートを辞めると話している。
「あなたは?家買いたいと思わないの?」
「今はいい。たぶんおまえと二人になったとき、考えるかもしれん。ま、少なくとも、子どもたちが家を出たら、ここより小さな家に住もう」
「私たちの寝室とキッチンとバスルームがあれば十分だもんね」
子どもたちが独立して家を出るのはまだ先の話だけど、こういう話を夫としていると、いかにも夫婦だなぁと思えて、心がほんわかと温かくなる。
って私たち、夫婦ですが。