彼氏彼女になるまで



部活が終わり、


昼間 憂希に言われたことを




ずっと考えながら帰っていた……




そしたら…後ろから足音がする…



誰だろうと思って

後ろを向いても誰もいない……


急いで帰ろうと思って


足をはやめると


聞こえる足音もはやくなる………







やだ……助けて…………………




「ずっと探してたよ…お嬢ちゃん……」


そう言っている小さな声が

私の耳元から聞こえてくる………




やだ……助けて…………………


肩を掴まれ 後ろを向くと……




あの頃よりも 少し老けた通り魔だった……




「…っ………」




怖くて声が出ない………やだよ……




助けて…………助けて……………




「お嬢ちゃんを刺したときからずっと……
探していたんだ」



どういうことなの………?



「顔を見た瞬間にすぐに分かった……
美波誠と美波亜衣の娘だと……」


パパとママの事を知ってる…………


「俺は……美波亜衣の婚約者だった……
美波誠に取られるまでは」


婚約者……?パパに取られる……?



「どう…いうことです…か…」


必死に声を出して聞いた



「俺は昔……美波亜衣と付き合っていた……
幼馴染みだった……高校の時に俺から告白して付き合うことになって……」



通り魔は、沢田裕二さんという名前らしい…

幼馴染みでママと付き合っていた。

でも、沢田さんが 大学に入り


1年間、留学をしている間に

私のパパにママは恋をしてしまい、


浮気していたんだって…………


留学する前に

帰ってきたら結婚をする約束をしたのに……



「だから……あいつらに…復讐するために
刺したんだよ、あの時は助かったみたいだけど…今回は殺してやる!」



や…怖いよ…………助けて……蓮………


沢田さんは包丁を

振り上げて私を刺そうとする


足が動かない……


怖くて目をつぶった



でもいつまで経っても

私に向けて振り上げた包丁は

刺さってこない




薄目をあけると…

蓮が 通り魔の腕を掴んで


包丁を取り上げている………


「な…ん…で?蓮…が…いる…の?」



「お前が呼んでる気がしたから」


そう言って私に微笑んだ…………


そして 通り魔にこう言った



「あの時は俺はまだ小さくて
琉愛を守ることが出来なかった……
でも 今の俺なら琉愛を守ることができる」


しばらくすると、警察が来て


蓮が 取り押さえていた通り魔が


逮捕された…













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