彼の好きな人
教室に辿り着くと、驚いた。
彼が机でうつ伏せになって寝ていた。
「…っ!」
思わず声が出そうになった。
寝ていた。
そう、彼は寝ていたの。
不思議なことじゃない。
放課後、学校で寝てしまっていただけ…。
「…っ、んん~…」
あ、彼が起きてしまった。
彼は、背伸びをした次の瞬間固まった。
「…えっ?あ…えっと…
まだ学校にいたの?」
それはこっちの台詞だよ?
まだ学校に残っていたんだね。