彼の好きな人
「あなたは、臆病者じゃない!
決めつけないでっ
私は、知ってるよっ
私は、ずっと…あなたを見ていたの。
私は、私は…あなたのこと好きなのっ
…気持ちなんて言ってみなきゃ分からないわよ!」
知らず知らずに私は泣いていた。
「…その、気持ちには答えられない。
ごめんね。
でも、ありがとう。
俺のためにありがとう。
代わりに泣いてくれてありがとう。」
あなたは、私を真っ直ぐ見つめながら苦笑した。
変なところ真面目で、変なところ馬鹿で…。
昔からあなたを知っている分。
恋をする気持ちを知っている分。
とても、心が苦しくなった。