full of love~わが君の声、君の影~

「自分だけなかったみたいに言わないで」
「?」
「私だってなかったわよ!金髪のピアス男なんか!30のクセにバイトの学生と話し方から話す内容まで全然変わらないし」
「はあ?何だよそれ?」
「自分がモテル前提になっているのがむかつく」
「モテルのは本当だもん。しょうがねえじゃん」
「うわー真顔でそういうこと言うかな・・これだから芸能人は・・」
「なんだよそれ聞き捨てならないな!芸能人だからってカンケ―ねーだろっ」
すると彼がニヤリと笑う。

「でも今日子さんは俺がゲーノージンだから好きになったんだろ?」
「それこそカンケ―ないわよ!」
「俺のライブ見てカッコイイとか言ってたじゃん!あの時が1番いい顔するクセに」
「え・・それは・・そうかもしれないけど・・」
ホントよく見てる;

「俺その顔見れてホント芸能人で良かったって思ったんだよ・・俺のやってきたことがこんなにも人の顔を変えられるって」
「・・・」
「俺今日子さんが仕事辞めろって言えば辞められるよ」
「は?」
「実際は無理だろうけど;でもそれくらい今日子さんが1番ってことだから」
「そんなこと言わないよ・・言うわけないでしょ」
「なんで?」
「なんでって・・それは・・・・・私が田中晴喜の1番のファンだからよっ!」
「やった!」
彼の極上の笑顔でしめくくる。

これってバカップル?
でもこんなやりとりできるのも彼だけだから
電話じゃなく顔を見てできるのが嬉しい楽しい。

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