full of love~わが君の声、君の影~

ならば彼の様に私もちゃんと伝えなければ。

「ありがとう晴喜くん」
「え?」
「あなたのおかげ」
「え?え?」
「私が自分の足で歩こうって、思えたのは晴喜くんのおかげです」
私は彼の手を取る。

「いつも気遣ってくれてありがとう・・今日こうやって会いにきてくれてありがとう・・こんな私を・・」
一瞬声がつまった。

「見つけてくれてありがとう」
私の目から涙があふれる。

つかんだ手に力がこもる。
彼の前で泣いたは初めてだ。

いや、人前で泣いたのはいつからだろう・・
顔を上げてられず彼の胸におでこを押し当てた

「私も好きだよ・・ずっと・・」

・・ずっと好きでした。

これは涙で言えなくなってしまった。

かわりに夢中で抱きしめた。
抱きしめられた。

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