full of love~わが君の声、君の影~

今ようやくわかった

穴が見えなくなったような気がしたのも
ふさがった気がしたのも

ただフタをして自分で見えなくしていただけ

そのフタは薄くて軽くて
すぐになくなり
その度に
また新たなフタを捜す



彼女と出会って

俺がその穴にフタなどしなくても
少しずつ埋まっていっていた

その穴は俺の核となるものがあった場所
俺という独りの弱くてみじめな自分を
支えてくれるものがあった場所

その穴に少しずつ彼女が色んなものをそそいでくれた

最初は声だった
それから優しさや温かさや小さな気遣い
笑い声もからかうような声も怒った声も
笑顔も泣き顔も・・

あげたらキリがない

その全部を彼女が惜しみなくそそいでくれた

そしてたった今
大きな大きな愛で満たして埋めてくれた

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