full of love~わが君の声、君の影~
うちに着いてからそれとなくケンカの原因を聞いてみた
「さくら・・お前がケンカなんてよっぽどのことなんだろ?
なんで怒ったか話してごらん・・」
以下先生が周りのヤジ馬たちから聞いた話+さくらから聞いたその時の模様(+俺の想像)
「おい」
「・・・」
「おい!そこの芸能人の子ども!」
「・・・」
「ムシすんなよ!田中さくら!」
さくらは“芸能人の子ども”呼ばわりされているのは慣れてる
苗字を呼ばれようやく振り向く
「なに?」
「お前のおやじに言っとけよ!うちのかーさんに手出すなってな!」
「なにそれ?」
「知ってるぞ。お前のおやじプレイボーイだったんだろ?」
「なにその・・ぷれ・・って?」
「女好きってことだよ!色んな女と手当たりしだいつきあってるんだろ!」
小3のガキに俺ひでー言われよう・・;
「そんなことないもん!おとうさん“おかあさんひとすじ”だって咲ねーちゃん言ってたもん!」
「ダレだよ、そいつ・・」
「そっちこそうちのおとうさん“ゆーかい”・・じゃなかった、ゆうさくくん・・じゃなくて・・ゆう子先生?」
「お前・・どんどん離れていってるぞ;“誘惑”だろ?」
「そうよ!“ゆーわく”。ゆーわくしないでよね!」
「うちのかーさんがそんなことするか!」
で
冬馬がドーンとさくらを突き飛ばし
花びんは割れ 中の花は散り あたり水浸しに;
この時点ではさくらが尻もちをついた以外は誰もケガしてなかったのに
さくらの奴が割れた花びんの破片をにぎり
冬馬に投げつけ頬に刺さるように当たり
流血。
今回も前回同様にお互いさまな気がするが
先に仕掛けてきたのは向こうだし
俺の中ではさくらに軍配を上げるが
「さくら・・おとうさんをかばってくれたんだな・・ありがとう。 でも、ケガさせたのはマズイぞ。それはちゃんと謝らなきゃな」
「・・・うん」
こういう時はまだ素直なんだけどな
変に頑なだったり
急に突拍子もないことやったりする