full of love~わが君の声、君の影~

冷たくも温かくもないその手をひいて階段をのぼり
寝室に入る
5年前まで2人で使っていた部屋
入るのも久しぶりだ

俺は今日子さんをベッドに座らせその隣に俺も座ると息を吸い込み一気に言う
「しよ」
『え?』
今日子さんの目が見開かれる
俺はかまわず顔を近づける

今日子さんの体をつきぬけベッドに倒れこむ
『晴喜くん・・?』
「なんで?」
『え?』
「そうやって座ったり横になったり俺を突き飛ばすことだってできるならキスだってセックスだってできるだろ!」
『・・・』
「今日子さんにさわりたいよ触れたいよ・・」
『晴喜くん・・』

今日子さんはうつ向いたと思ったら
すぐにパッと明るい顔でこちらを見る

『幽霊なんて相手にしてないで冬馬くんママにお願いしたら?』
「は?」
『彼女若くてなかなかキレイじゃな~い、私の調査によると今年で29歳だって!12歳差! 最近の芸能界・・“歳の差婚”流行ってるじゃない?のっとけばあ?』
「本気で言ってんのか!」
俺は思わず大声でどなっていた

今日子さんが肩をすくめる


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