full of love~わが君の声、君の影~

「あの時のリンゴ・・今日子さんだろ?」
『リンゴ?』
「先月の墓参りの時のリンゴ!わざと彼女の方から転がしたろ?
 確かあの時彼女も『勝手に転がって・・』って言ってた!」
『・・・』
「どういうつもりだよ?彼女と俺を出会わすつもりだったわけじゃないよな?」
『・・・』
「いいのかよ?俺が彼女と一緒にいたり話したり・・・この先付き合ってキスとかしても?」
『・・・』
「何で?何も答えてくれない?いいのか?俺と彼女が・・」
『いいわけないじゃない!』
「!」
今度は今日子さんがキレる

『いいわけないじゃない・・実際リンゴを・・・あんなことするんじゃなかったって後悔したくらいなんだから』
「じゃあどうして!?」
『・・・晴喜くん独りじゃいられない人だって知ってるから』
「独りじゃないよ!さくらだって咲ちゃんだって神だって・・」
『そういうのじゃなくて・・』
「じゃあ何だよ!」
『あなたは近くに誰かいないとダメなのよ!』
「だからどういう・・」
『あなたが愛してあなたを愛してくれる人が必要なの』
「今、今日子さんがいるっ」
『私はいないの』
「!」
『いないのよ・・』
今日子さんが目をふせる
俺は何も言えない

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