full of love~わが君の声、君の影~

『別に今すぐ彼女と付き合えとか結婚しろなんていってるわけじゃないの』
「・・・」
『彼女はあなたと同じ。同じように愛していたご主人を突然失った人。 同じ悲しみと苦しみを抱えている。 一緒にいて何となく居心地がいいのはそういう気持ちをお互い隠さなくてもいいからじゃない?』
「な、何で、居心地が良かったなんてわかるの?」
『はあ?あんな吹きっさらしの殺風景なところで2時間近くも話しておいてよく言う!』
「え。2時間もしゃべってた?」
『そうよ!それも何が仮面ライダーよプリキュアよ!よくあんな実のない話で長々話してられたわね!』
「話せって言ったのそっちじゃないか!」
『私は相談にのってやれって言ったの』
「ずっと立ち聞きしてたの?やらしい~」
『やらしいとは何よ!聞いてたのは最初の方だけ。後は大変だったんだから・・』
「大変って?」
『え?んーそれは・・』
「?」
『・・ホントは2人が楽しそうに話してるの見てられなくて先に家に帰ろうかとも思ったんだけど・・』
「ああ、ごめん・・」
『パパラッチがすごくて』
「はい?」
『2人には見えてなかったろうけど、周りに幽霊たちが集まってきて大変だったんだから!』
「はあ」
『場所が場所だし、幽霊たちは基本暇だから、ラブシーンが見れると思ってそりゃあウヨウヨと』
「はあ」
『追っ払うのに大変だったんだから!』

そんなことになってたとはなあ・・
「ごめん、全然気がつかなかったよ・・」
あれ?
「でも帰る時今日子さんいなかったじゃない?」

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