full of love~わが君の声、君の影~

いやその前から
そんな騒ぎになってたのに
他の幽霊の声は聞えないにしても
今日子さんの声は聞えてたはず・・

でも実際は俺たちの声以外はとても静かだった・・

「もしかして・・いたの?」
あの背筋を走った“悪寒“
あれは・・
「今日子さん?」

『・・・・・いたよ』
「え・・・・」
それってどういう・・?
「で、でも見えなかったよ」
『うん・・・正直ちょっとあせった;このまま見えなくなっちゃうのかなって・・でも家に着いたら私に気づいてくれてホッとした』
「もしかしてあの時も?」
学校に呼び出された時。


彼女といる時だけ見えない?
「それって・・俺が今日子さんのコト・・」
・・忘れてるってことなのか?
「いやっちがう・・ごめんそんなわけ・・」
『いいんだよそれで』
ふんわりと微笑む
でもどこか悲しげで俺の胸をしめつける
『考えてみたら、気がつかなくて当たり前。私の声が聞こえないのも当たり前のことなんだよね。だって私は・・・いないんだから』
また“それ”を言う
『きっと晴喜くんの頭の傷が消えていくように私も消えていくから・・』

「じゃあもう彼女とは会わない!」

今日子さんを忘れるなんてありえない

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