full of love~わが君の声、君の影~
3.カオガミエナイ
彼女と出会ってから一年が経とうとしていた。
―――お前のその勝手な期待は相手には迷惑にしかならねえぞ
神の言う通りだ。
勝手に自分の理想にしないためにライブの時に写メを撮らせてもらった。
(めっちゃ照れて嫌がられたけど;)
その写真を見てから電話をする。
1カ月に1,2回程度だが何となく続いている。
いつも俺の方から一方的にかけているにも関わらず
いつかけても彼女の声は変わらず穏やかで優しい声だった。
決して迷惑そうな声は出さない人だった。
そう“信じられる”声だと
俺は勝手に思っていた。
でもそれは違っていた
声だけでまるで他人の心を読んでいるかのように思っていた自分の
思い上がりだった。
それは彼女と電話で話していた時だった。