full of love~わが君の声、君の影~

「そんなことよりいいの?こんなことして君のお父さんはこのこと知っているの?」
「いいえ。父と母は去年離婚しました」
「え?」
初耳だ。ということは晴喜の奴も知らないのか?

「父にはずっと他に付き合っている人がいて母とはもう長いことロクに会話もしてなくて・・きっと母は私がいるから別れなかったんだと思います。でも私ももう大人だし。母には幸せになって欲しいんです!」
彼女のにごりのないまっすぐな目からゆっくり目をそらすと
俺は目の前に置かれた封筒を手にとり
彼女の前に置いた

「え?」
「これは渡せない」
「なんで・・なぜですか!神島さんだって2人に幸せになってもらいたいでしょ?」
怒るよね・・当然
「そうだね俺も2人には幸せになって欲しいよ・・出会いからずっと聞かされていたからね・・あいつ自身が気がつく前からあいつが君のお母さんに惹かれているって知っていたしね」
「じゃあなんで・・」
「離婚したことおそらく晴喜は知らない。君のお母さんは何故話さなかったんだろう・・晴喜のことが好きなら話して付き合えばいいのに」

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