full of love~わが君の声、君の影~

「普通身内はやらないんじゃない?」
「神島さん!」
彼女の顔が華やぐ
またキレイになった

「もう・・お母さんたちが勝手に決めちゃって・・」
と困惑顔だ
確かに新婦の友人たちでは見栄え的には・・ちょっとねえ;
「いい経験になるよ」
久しぶりに間近で見る彼女の顔は
シックな紺色のワンピースに白いボレロに合わせてしっかりとメイクされ年齢より大人びてみえた

「これが席次表です」
差し出された紙に添えられた細い指の先もキレイなピンク色に塗られていた
「またキレイになったね」

彼女は俺の視線に照れたように目を伏せた


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