full of love~わが君の声、君の影~
しばらくそうしていたいがこのままというわけにはいかない
俺は彼女の肩をつかんで自分から離して彼女の顔をのぞきこんだ
「その顔で戻るわけにはいかないな・・送るよ。君の荷物取ってくるから待ってて」
荷物を取りに行った
行くと彼女も俺もそれぞれ捜されていた
文句を言ってくる坂上らを適当にかわして
俺は今日子さんに「咲ちゃん気分が悪いみたいだから俺が送っていくよ」
とだけ告げた
いつもならこんなことを言ったらからかいの一言も言いそうな今日子さんだが
いつになく真剣な俺の声を読み取ったらしく何も聞かずに
「お願いね」
とだけ言った