full of love~わが君の声、君の影~
「送っていかなくていいのか?」
神が聞いてくる。
「まだ早い時間だし・・誰かに見られたらまずいだろ。まだ俺時々マークされているし」
璃南とのことはおそろいの指輪をつけてないとかですぐにばれた。
でも半年経たぬうちに破局というのは過去の交際のことまでほじくり返されて
俺に「軽い男」というレッテルが貼られてしまった。
俺たちはソファに座って残ったぬるいビールをあおった。
「お前たち本当につきあってないの?」
「はあ?つきあってないよ」
「今日で会うの・・最初とライブ以外は2回目って本当か?」
「本当だよ」
「本当に?1回目のときに何にもしてないのか?」
「してねーよ!俺は熱でフラフラだったし、親が来たからすぐに帰っちゃったし」
「でもこの間のライブ後は何かしたよなあ?」
「・・・;何だよっ言いたいことがあるなら言えよ」
「・・・いやあ・・だってさ・・」
歯切れの悪い神も珍しい
「だってさ・・どう見てもお前らつきあって3年はたってるぞ」
「出会ってからは・・そんぐらい経つけど?」
そうだもうそんなに経つんだな・・
「じゃなくて。雰囲気がさ・・うー上手く言えないけどさあ・・」
「仲の良い姉(きょう)弟(だい)に見えなかった?」
「ああ?」
こんなキョトン顔も珍しいなあ