full of love~わが君の声、君の影~
「仕事場はどーせ制服だからいいの!この格好で!」
と彼女はムッとしながら自転車を停めた。
「ごめん笑ったりして」
彼女の顔をじっくり確かめるように見る。
「とにかく良かった、元気そうで」
「わざわざ来てくれたの?」
「うん、家どこかわからないし、ここくればまた会えるかなって。今日のシフトわからないから一か八かだったんだけど・・すげーラッキー♪」
「そっか・・何かごめん」
「いや今日子さんのせいじゃないから。俺が勝手にいろいろ妄想しすぎたせいだから」
「妄想?」
「いやっこっちの話」
勢い込んで来ただけに急に恥ずかしくなってきた。
「こっちこそ急にごめん。じゃあ俺帰るわ」
「え?」
今日は出直した方が良さそうだ。
行こうとする俺を彼女が引き止めてくれる。
「せっかくだからうちに寄っていってよ!咲がバイト始めて最近夕飯独りなんだ~」
「でも旦那さん帰ってくるでしょ?」
「あ・・」
急に気まずそうな顔になる。