full of love~わが君の声、君の影~

「じゃあ車乗って」
俺は彼女の足を助手席に押し込んでドアを勢いよく閉め
反対側の運転席にこれまた勢いよく乗り込んだ。

ここなら暗くて車中は簡単には見えないだろう。
彼女は呆気にとられた顔をしている。


俺はそんな彼女にかわまず肩をつかみこちらに向かせると、一息ついてから言った。

「最初から今日会えたら言うつもりだった・・連絡がとれなくなったのは本当にキツかったから。でも・・出鼻くじかれたっていうか・・また出直そうと思ったんだけど・・良かった追いかけて来てくれたから言えた・・」
「・・・」
「もう声だけじゃなくてちゃんと顔を見て話したい。今日子さんの声が跳ねている時も沈んでいる時もそばにいたい・・インフルエンザでも俺が看病したい」


そう
以前、電話をしたら彼女が熱で寝込んでいることがあった。
家に行く!という俺に
「インフルエンザうつるから来ないで」
とバッサリきられた。

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