full of love~わが君の声、君の影~
第2章 【君の声~きょうこのこえ~】

1.であい


はあああああ 疲れたあ・・

今の仕事を始めてようやく1年。
といっても短時間のパート。
単調な仕事にすっかり慣れたものだが、週末ともなると疲れがたまってくる。
(歳だな~)
とか考えながらすっかり暗くなった冬の帰路を私は自転車で走らせていた。

この辺りは駅前のこともあって交通量が多い。
なので裏道を使う。
いくらかはマシだ。


信号待ち

狭い道路なので空いていれば無視してしまうような裏道。
歩行者はちらほらなのに今日は珍しく車がよく通る。

青に変わるのを待ちながら
何ともなしに向けた視線の先に1台の大きな黒い車が歩道に横付けされていた。
「ん?」

その車の横にうずくまる人の影が見えた

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