12番目の部屋
四、“夢”と“残酷”の言葉の狭間、それが現実
ザザァ、ザザァ。
何かの音で栞は目を開けた。
写ったものは、青い海と白い浜辺。
栞たちが遊んでいたところだった。
「春木君!」
辺りを見回し大地を探すが、その姿はない。
携帯を取り出して電話帳から“春木 大地”を探す。
名前を見つけて電話をかけるが、聞こえてきたのは大地の声じゃなかった。
“お掛けになった電話は現在使われておりません”
愕然として力が抜けた栞は膝から崩れる。
その後ろには花が咲いている
一本の樹が立っていた。