12番目の部屋

「始めはさぁ、正気かって疑ったよ。でもさぁ、その気持ちはわかるよ。俺とお前の仲だもんな。」

大地はますます暗い顔をした。

「……でもなぁ春木、悪いけど俺、最後の最後までお前の願い聞いてやれねぇわ」

そう呟いて嘉夏は勢いよく机の引き出しを開け、中からロープを取り出すと大地につかみかかった。

「っ!!?」

大地は顔を歪めて必死に抵抗する。

「お前……」

「わりぃな春木、いくら頼みの相手がお前でもこればっかりは聞けねぇ。これまで手貸してたのも、俺自身が残りたかったからなんだ」

大地の首にロープを巻きつけ嘉夏は力いっぱいに縛る。
ロープで締められ大地の顔は段々と青ざめていく。
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