12番目の部屋
二、堅い友情も時には残酷だ
目を覚ますとまた同じ部屋にいた。
唯一違うのは嘉夏がいないこと。
「……嘉夏」
大地も目を覚ましていたようで、隣でぽつりと呟くと頭をかかえた。
「……なぁ花池、何で俺ら……こんなとこにいるのかな」
クラスメートのうちの13人で春休みに海で遊んでいた。確かその周りには他に人がいてバーベキューか何かをしていたのも覚えている。
ーーみんなで花火を楽しんで、……それからどうしたんだっけ。
肝心な所が思い出せない。
「……わからない」
そう答えると大地は何か意を決したように、栞に向き合った。