ブランコ。
「境、蚊に刺されてないか?」

「う〜ん・・・ちょっとだけ」

「車、戻ろうか?」

「う〜ん・・・もうちょっとだけ」

「そっか・・・。
なあ、境。
山岸の件だけど・・・」

「なあに?」

「はっきり言うけどさ、山岸が境に好意を持ってることは気づいてるよな?」

「・・・・・・うん。
はっきり告白とかされたわけじゃないけど・・・・・・」

「じゃあさ、境に彼氏が出来ればどうだろう?」

「彼氏・・・ねえ・・・」

「諦めるんじゃないかな?」

「そうねえ・・・」

「何なら僕でもいい」

「えっ!?・・・それは・・・どういう意味?」

「いや、山岸が諦めるまで」

「それは・・・彼氏のフリだけってこと?」

「そう」

「フリかぁ・・・」

「不満か?」

「不満」

「そっか。安易すぎたな」
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