ブランコ。
診断結果の紙を二人で覗き込む。

そして『著見なし』と記されている箇所を指差しながら、

「先輩。食堂。コーヒー行きましょ」

と小声で囁いた。

誰にも悟られないように。

先輩は一瞬驚いた顔をしたが、次の瞬間には満面の笑みに変わっていた。

そして、ふんわりした笑顔以上の笑顔で微笑みながら、

「うん」

と小声で返してくれた。
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