ブランコ。
「とりあえず今日は食堂のコーヒーでごめんなさい。今度、よろしければ、その・・・休日に・・・え〜っと・・・」

僕は自分の分と先輩の分のコーヒーをテーブルに置きながら言った。

自分でも緊張してるのがわかる。

よく考えてみれば、僕は僕の人生において先輩をデートに誘うなんてシーンを夢想すらしたことがなかった。

いや、自分で封じ込めていたんだと思う。

だから、僕は自分自身に言い聞かせるように心の中で、

(お詫び。これはお詫びなんだ)

と呟いていた。
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