ブランコ。
このセキュリティなどを含め、僕らが所属するセクション全体のOA機器を扱う部門の人数が圧倒的に少ないのだ。

だから、セキュリティの面よりもメンテナンスをする人間たちの利便性の方が考慮されている。

リエや山岸が所属する、その社内システム部門は、彼らを含め五人で構成されている。

百台近いパソコンのメンテナンスをたった五人でしなくてはならないのだ。

故にパスワードは、簡易で覚えやすく不変のものである、社員番号で固定されていた。



社内メールのパスワードを入力し終えた僕は、そのまま画面を見ることなく、袖机から今日の仕事用のファイルを取り出す。

次に右側の引出しからシャープペンと消しゴム、右側の二段目から電卓を取り出した。
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