ブランコ。
その手の甲を眺めながら、リエが呟いた。

「あのね、やっぱりいるの・・・」

「そうか・・・」

リエの言おうとしていることは分かった。

きっとその出勤していた人物の中に、彼の名前があったんだろう。

でも、断定は出来ない。
だが、僕のその考えはリエの次の言葉で消えた。

「私のログ(記録)と出勤日が完全に一致するの」

そう言いながら、リエは出勤簿のリストと、自分のログをプリントアウトしたものを見せる。

「なるほど・・・」

確かに一致していた。

リエのパソコンのログと、彼の出勤した日は完全に一致していた。
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