ブランコ。
03 リエ
日曜日。
僕は誰もいないリビングで本を読んでいた。
外は晴れでもなく、どんよりと曇っているわけでもなく、なんだかはっきりとしない天気だった。
正午を回り、そろそろ昼飯の準備でもしようかと、鍋に水を張り、ガスのスイッチを捻ったときだった。
リビングの片隅で電子音がけたたましく鳴る。
僕はガスの火を止め、舌打ちしながら受話器を取り上げた。
「もしもし……」
「もしもし? 私。今ヒマでしょ?」
「私とは?」
声の主に見当はついているのだが、僕はあえてそう言った。
そんな僕の言葉は耳に入っていないのか、まったく意に介さず言葉を継ぐ。