ブランコ。
21 決着
僕はその人を光の輪の中に入れる。

その人物は驚いてはいるが騒ごうとはしない。

本人も何が起こったのかわかってないのだろう。

それとも、瞬時に悟り、観念したのだろうか?

「やっぱり・・・」

「・・・・・・」

その人は何も言葉を発しない。

口の端からは、僕が仕掛けた木工ボンドの白い液体がこぼれている。



最初はゼリー状の瞬間接着剤をつけようかと思ったのだが、リエに止められたのと、何度も接着剤をつけているうちにナイロンが溶けて固まってしまったのか、ガチガチになってしまったのでやめた。

木工ボンド自体も匂いはするのだが、厚く盛ると表面だけが固まる。

そうしておいて、上から歯磨き粉をつければ匂いは意外にわからない。
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