ブランコ。
「どうして・・・なんですか?」

僕は溜息をつきながら尋ねる。

早くリエを連れてこの場を去りたかった。

聞いても仕方がないような気がする。

だけど、聞かなければこの件が解決しないのも分かっている。

「・・・・・・」

「まず、うがいしてください。シンナーで気持ち悪いでしょ?」

その人は言われるがままに立て続けにうがいをした。

懐中電灯の光の中で、シャツの胸元がびしょびしょになってるのが見える。

うがいをしたということは、ある程度こちらの言ってることは届いてるのだろう。
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