ブランコ。
最初、出席簿と僕らのパソコンのログを調べ始めたとき、犯人は山岸だとばかり思っていた。

だけど山岸は、リエも含め社内システム課全員が出勤した時以外の休日には一切出て来た記録がなかった。

そして、違うと断定できる材料もあった。

僕とリエが一緒にいた日(たとえ、直接的に会っていないとしても)、ボウリング大会、パスタ屋、その日に僕らのパソコンは、僕らが山岸と遭遇している時間に稼動していた。

つまりこう言うと、刑事ドラマなんかの容疑者扱いみたいで申し訳ないが、山岸にはアリバイがあったのだ。



山岸の容疑が晴れた後、僕らは一時手がかりを無くした。

僕は、リエに課員全員分の出勤簿を調べるように言った。

嫌がるリエを説得しながら。

「すまない・・・謝ってすむようなことではないが・・・」

「・・・・・・」

「言い訳にしかならないが、聞いてくれるか? いや、言わせてください」
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