ブランコ。
喜んだ。

これで、自分の頭の上に載った重石も取れる。

邪魔者はいなくなった。



『次長』になれるという打診を受けた。

役員室に呼ばれ、常務にその話を聞く。

とうとうここまで来た。
『次長』になれれば、もう、『部長』に王手をかけたようなものだ。

やった。
やった。
やった。

だけど、次の常務の言葉で小川課長は凍りついた。

「良かったな。片桐がいないからだ」
< 172 / 260 >

この作品をシェア

pagetop