ブランコ。
「自分でも何でこんなことをしたのか分からない・・・。特に境くんがどうとか、そういう感情はなかった。ただ、フラっと女子トイレに入ってしまった・・・。たぶん、悪いことをしたかったのかも知れない。本当にすみませんでした」

小川課長は話し終えた。

話は途中で泣き声に変わっていた。

「境。後はお前が」

「うん・・・。課長? どうして片桐課長に負けたのか、わかりますか?」

「・・・・・・」

「残酷なようだけど、それが課長と片桐課長の差です」

「・・・・・・」

「課長? 明日から、私たちと、どうやったらその差が埋まるか、考えませんか?」



これでリエの歯ブラシの件は終わった。
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