ブランコ。
「それで……ご用件は?」
「だ・か・ら! 遊びに行こうって言ってるじゃない!」
「丁重にお断り致します」
「……昼、パスタで手を打とうではないか。どうだね?」
「わかりました……」
食欲に負けた僕は、今来ている服の上に薄いシャツを羽織ると玄関へと向かった。
玄関に置いた姿見に映る僕は、とても今から女の子と会うという格好ではなく、せいぜいコンビニが関の山、頭はボサボサで、油断のあまりスリッパで出掛けようとしていた。
スリッパをスニーカーに履き替え、頭を水でとりあえず濡らして寝グセをなでつけ、最低限の格好で、彼女の待つコンビニへと車を走らせた。
ゆっくりと。
急がずに。