ブランコ。
さて、プレゼントを考えなくては。


僕は携帯電話をポケットに収めながら考える。


こんな時、モテる男ならすぐに思いつくのだろうが、女の子へのプレゼントなんて、もう何年も自分で考えたことがなかった。





前の彼女のときのプレゼントは自己申告制で、お互いが欲しいものを相手に伝え、相手に買ってきてもらうという、合理的だが、色気もくそもない方法だった。


たぶん、自分で誰かのためのプレゼントを選ぶなんて、小学校のときのクリスマス会以来じゃないだろうか?





僕はしばらく考えてみたが、まったくと言っていいほど、何も思いつかなかった。


だから、非常に安直な方法を思いついて、先輩のところへ行った。


プレゼントに相応しいものを教えてもらうためだ。
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