ブランコ。
「あれ? 千秋先輩は?」


「今、本社に行ってるわ」


美穂さんが答える。


田村さんと会ってから、僕が田村さんを見て笑ったと勘違いしてるのか、少し怖い。


だけど、田村さんと会ったからこそ、僕は美穂さんに親近感を抱いていた。


「何か用だったの?」


「ええ、私的なことなんですけど」


「ふうん」


「そうだ、原田さん、教えてくれませんか?」


「何を?」


「今日ですね、境の誕生日なんですよ」


「うん」


「それでですね、プ……」


「ちょっと待って。それを千秋に聞きに来たってわけ?」


「そうなんです。何かいいのないかなって。アドバイス欲しいなって」


「…………」
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