ブランコ。
そうだ、思い出した。


リエの欲しいもの。


なんで今さらそんなものを、と思うようなものだった。


写真立て。


いっぱい写真が飾れるやつ。


写真用の穴が、丸や楕円、四角や菱形になってるやつ。


いつかリエのお供をして連れて行かれた雑貨屋で見た写真立てだ。





僕はハンドルを再び触る。


もう、運転には支障がないくらいの熱さだ。


汗で気持ちの悪くなったズボンをシートから一度動かし、シートベルトを締め、サイドブレーキを離す。





僕は車を走らせた。


ここから雑貨屋までは一時間ほどかかる。


その雑貨屋は隣町の商店街にあった。
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