ブランコ。
僕は、直線で百メートルくらいしかない商店街を五十メートルほど進んだ。


そして、呉服屋で大安売りしている、積み上げられた夏物の草履と足袋のワゴンを見ながら、右手の路地に入った。


そして十メートルほど進み、目的の雑貨屋を見つけた。





その雑貨屋は、古い商店街には似つかわしくなく、その店自体が西洋のアンティークのような造り……というのは小説の世界だけで、どこから見ても和風な民家だった。


店舗スペースの向こうに居住スペースがあるという、昔ながらだが、アンティークになるほど古くなく素敵でもない作り。


八百屋や魚屋にしたほうが良さそうな作りだ。


そして、その狭い店舗の中に、所狭しと物が並べられている。


雑貨屋というより、骨董品屋みたいだ。
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