ブランコ。
「おいしいです!」


「玉露だよ。玉露の粉茶」


「へえ……」


正直、お茶のことは全然わからないが、渋みを感じた後に、ほのかに塩味と甘味を同時に感じるという不思議な味だった。


おばあさんは、また僕の顔をしげしげと眺めている。


この店にはよほど客が来ないのか、それとも僕の顔がおばあさんの『何か』に触れたのだろう。
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