ブランコ。
「ボーン」と店内の時計が一斉に鳴り始めた。


その内のひとつを見ると、十四時を指している。


あれから僕とおばあさんは、何を話すでもなく、ぼーっと座ってただお茶ばかり啜っていた。


「お茶、注ごうか?」


「いえ、そろそろ時間ですので」


「そうかい」


おばあさんはどこか寂しげにそう呟いた。


僕がよほど久しぶりの客だったんだろう。


また来よう。


僕はなんとなく見たことがあるような気になる、おばあさんの横顔を見ながら考えていた。


「これ、持っていきな」


「はい?」


「これだろ? おまいさんが買いに来たのは」


「これって……?」
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