ブランコ。
遠い。


先輩は本当に僕にとって「遠い」人だった。


入社したての頃の僕の記憶は、先輩の後姿しかない。


正面はおろか横にだって立つことはできなかった。


それほどまでに本当に「遠い」人だった。
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