ブランコ。
04　めんたいこといか

リエは僕と同じく、地元の高校を卒業した。

同じくといっても、同じ高校ではない。

僕の卒業した学校からすると、かなりレベルの高い学校から、


「もう、これ以上勉強したくない」


という至極明快な、いかにも彼女らしい理由で入社してきた。



いつも短く切った髪に、大きな目と大きな口。

口角の上がり具合が、よく言えば明るく、悪く言えば口うるさそうな印象を与える。

百六十センチの身長は、ほっそりとした体のせいか、実際より高く見える。

普段は、明るいということを通り越し、奔放すぎてしまう発言が、たびたび周りに誤解を招きそうになるのだが、大きな目をキラキラさせてニカニカとリエが笑うと、いつしかその誤解は解けているという不可思議な現象が起きていた。

きっと、大きな胸も重要な要因であるとは思うのだが。



そういうキャラクターが愛されたのか、リエも先輩と同じく、社内では多くのファンを獲得していた。
< 24 / 260 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop